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残業代の計算方法と割増率(月60時間超1.5倍対応)

最終更新: 2026年7月12日 ・ カテゴリ: 割増賃金

残業代は「基礎時給 × 割増率 × 残業時間」で計算します。基礎時給は月給を月所定労働時間で割った金額で、法定時間外労働なら1.25倍以上、月60時間を超える部分は1.5倍以上の割増が必要です(労働基準法37条)。本記事では基礎時給の出し方から割増率の一覧、月給30万円での計算例までを順に解説します。

目次
  1. ステップ1: 基礎時給を出す(月給÷月所定労働時間)
  2. ステップ2: 割増率を確認する(一覧表)
  3. 法的根拠:労働基準法37条
  4. 計算例:月給30万円・普通残業10時間
  5. 実務上の注意点
  6. よくある質問

ステップ1: 基礎時給を出す(月給÷月所定労働時間)

月給制の場合、まず残業代計算の単価となる基礎時給を求めます。

基礎時給 = 月給 ÷ 月所定労働時間

例えば月給30万円・月所定労働時間160時間なら、基礎時給は 300,000円 ÷ 160時間 = 1,875円 です。

ここでの「月給」には基本給のほか、役職手当など労働の対価として毎月固定的に支払われる手当も原則含まれます。一方で、家族手当・通勤手当・住宅手当など労働と直接関係のない一定の手当は、法令上、割増賃金の算定基礎から除外できるとされています。どの手当を含めるかは残業単価を大きく左右するため、自社の賃金規程と照らして確認してください。

月所定労働時間が月によって異なる場合は、年間の所定労働時間から月平均所定労働時間を算出して用いるのが一般的です。

ステップ2: 割増率を確認する(一覧表)

残業の種類によって、基礎時給に掛ける割増率が変わります。以下は法定の下限をまとめた一覧です。

労働の種類割増率備考
法定時間外労働(1日8時間・週40時間超)1.25倍25%以上の割増
深夜労働(22時〜翌5時)+0.25他の割増に上乗せ
時間外 + 深夜1.5倍1.25+0.25
法定休日労働1.35倍週1日(4週4日)の法定休日
月60時間超の時間外労働1.5倍中小企業も2023年4月から適用
月60時間超 + 深夜1.75倍1.5+0.25

特に注意したいのが月60時間超の1.5倍です。かつては大企業のみに適用され中小企業は猶予されていましたが、2023年4月からは中小企業にも適用されています。「うちは中小だから1.25倍のまま」という運用は現在では法令違反となるため、未対応の場合は早急な見直しが必要です。

また深夜割増(+0.25)は他の割増と重複して加算されます。時間外労働が22時を越えて続けば1.5倍、月60時間超の残業が深夜に及べば1.75倍です。

法的根拠:労働基準法37条

割増賃金の支払い義務は労働基準法37条に定められています。使用者は、法定時間外・法定休日・深夜の労働に対して、政令で定める率以上の割増賃金を支払わなければなりません。上の表の割増率はいずれも法律上の下限であり、就業規則や労使協定でこれを上回る率を定めることは可能です(下回ることはできません)。

なお、そもそも法定労働時間を超えて働かせるには36協定の締結・届出が前提となる点もあわせて押さえておきましょう。

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計算例:月給30万円・普通残業10時間

月給30万円・月所定労働時間160時間の人が、深夜や休日にかからない普通の時間外労働を月10時間行った場合で計算してみます。

手順計算結果
1. 基礎時給300,000円 ÷ 160時間1,875円
2. 残業単価1,875円 × 1.252,343.75円
3. 残業代1,875円 × 1.25 × 10時間23,437円

1,875円 × 1.25 × 10時間 = 23,437.5円 となり、この例では23,437円としています。端数(この例では0.5円)をどの段階でどう処理するか(切り捨て・切り上げ・四捨五入)は会社の賃金規程の定めによるため、自社の規程を確認のうえ一貫した方法で処理してください。

もし同じ人の残業が月60時間を超えた場合、60時間を超える部分は単価が 1,875円 × 1.5 に上がります。残業時間帯・累計時間によって単価が変わるため、勤怠データと連動した自動計算の仕組みがあると計算ミスを防げます。

実務上の注意点

よくある質問

残業代の基本的な計算式は何ですか?

残業代=基礎時給×割増率×残業時間です。基礎時給は月給を月所定労働時間で割って求めます。例えば月給30万円・月所定160時間なら基礎時給は1,875円で、法定時間外労働の割増率は1.25倍以上です。

月60時間を超える残業の割増率は何倍ですか?

月60時間を超える法定時間外労働の割増率は1.5倍(50%以上)です。以前は大企業のみの適用でしたが、2023年4月からは中小企業にも適用されています。さらに60時間超の残業が深夜帯に及ぶ場合は1.75倍になります。

法定休日に働いた場合の割増率は?

法定休日労働の割増率は1.35倍(35%以上)です。法定休日は週1日(または4週4日)の休日を指し、それ以外の所定休日(週休2日制のもう1日など)の労働は原則として時間外労働の1.25倍で計算します。

残業代計算の根拠となる法律は何ですか?

労働基準法37条です。時間外・休日・深夜労働に対して政令で定める率以上の割増賃金を支払うことを使用者に義務付けており、時間外25%以上・法定休日35%以上・深夜25%以上・月60時間超の時間外50%以上という下限が定められています。

本記事は一般的な情報提供です。個別の事情については税理士・社会保険労務士等の専門家にご確認ください。